漁業調査船「たじま」業務日記
兵庫県沖合地区(第1工区)ズワイガニ増殖場位置調査調査(平成19年12月27日)
調査海域:兵庫県香住沖合約19マイル(約35km)・水深260~270m帯
調査機器:魚群探知機・GPS・レーダー
調査内容:魚群探知機でズワイガニ増殖場に沈設している魚礁の位置を確認、GPS(世界測地系WGS84)で測位するとともに、海上で落ち合った漁船と並航し、周辺漁場を利用する漁業者に周知を図った。
調査目的:増殖場内は、ズワイガニ保護区として、漁業者が自主的に操業を禁止している。数値データだけではわかりにくかった増殖場の位置を具体的な手法で示すことにより、漁場の適切な利用を促し、ズワイガニ資源の回復に向けた取組を支援する。
並航した漁船
ズワイガニ資源の回復にみんなで努力しています。
魚群探知機の画像
海底に立つ魚礁です。一見すると左側の群が縦長で間隔が狭く、右に行くと間隔が広がって一番右の魚礁は大きいものだと思ってしまいますが…。実はこの魚群探知機に映っている魚礁は同じ大きさのもので、しかも概ね等間隔で並んでいます。
では、なぜこんな見え方なのか?
まず「右に行くだけ間隔が広がって映っている」話ですが、魚群探知機の映像は右端が現在位置で、一定の速度で左に流れていきます。そして、画像を送るスピードが一定であるのに対して、船が区域の端に近付いたので船速を徐々に落としていったので、魚礁が出てくる間隔が広がるのです。
次に右端の魚礁が大きく映っている件ですが、先の話と同様なのですが区域の端の魚礁ですから船速もかなり落としていますし、尚且つ船を旋回させて次の進路に向けます。この時出来るだけコンパクトに廻りきるようにしますので、横に長く映ります。「同じ魚礁の直上付近に長くいる」状態です。
レーダー画像です
赤い線が「たじま」が移動した経路です。四角く囲われた様に見える中が「ズワイガニ増殖場」です。