漁業調査船「たじま」業務日記
スルメイカ漁場一斉調査
調査年月日:平成22年6月28日~7月2日
調査海域:兵庫県~鳥取県沖海域
総航海距離:498海里(約922km)
調査定点:17点
使用漁具および用具:自動イカ釣機・水温塩分計
調査方法:①海洋観測 … 海底または水深500mまでの水温・塩分の観測
②釣獲試験(採集試験) … 自動イカ釣機を用いたスルメイカの採集
調査目的:日本海で漁獲されるスルメイカ(前年の秋季に発生した群)を対象に、その来遊量および分布状況を把握し、長期漁況予報の資料及びABC(=生物学的許容漁獲量)を算定するための基礎資料を得ることを目的とする(日本海区水産研究所を中核として、関係県で一斉に調査を実施しています)。
準備
日没も近づいてきました。イカ釣機に取り付けられている流し台をセットします。イカが釣れるとオレンジ色のローラー付近でイカが外れ、流し台を滑るようにしてデッキ上に取込まれます。
操業開始
集魚灯に明かりが入りました。今回は20時から04時までの8時間試験操業を行います。集魚灯は非常に明るく、まるで昼間のようです。デッキにいる間は目を保護するため、サングラスを着用しています。
お祭りのような
完全に日が暮れました。写真だけを見ると海面が見えないため普段とは違った雰囲気にも感じられます。実際のデッキ上では集魚灯の熱で暑くとても眩しいのです。
スルメイカ
イカ釣機で釣上げられたイカが勢いよくデッキに取込まれました。残念ながらイカ釣機で釣上げられた瞬間の写真がありません。次回は頑張って撮りたいと思います。
山陰地方、夏の風物詩
釣上がったスルメイカを測定します。その後、まとまった数になると急速冷凍し精密測定のため持ち帰ります。写真からも判るように、釣りたてのイカはとても美味しそうです。
バタバタバタ
突然、空から海鳥が落ちてきました。集魚灯の明るさに目を眩ませたのでしょうか?パニックを起こしたのか飛ぶ様子も無かったので、保護して集魚灯から離れた所で放鳥しました。
計量魚探
画面右側の縦並びに出ている数字が水深です。40m辺りに出ている波型の反応は釣獲してみたところ30cm前後のサバやイワシでした。180m側の赤い線に見えるのが海底です。その上の赤い帯は動物プランクトン(オキアミなど)や小魚の塊で、通常夜間は浮き上がってきますが、今回は集魚灯の明かりのせいで、海底近くに留まったままだったのかもしれません。
生きた化石?
とても珍しいものが釣れました。アオイガイといい、貝殻を背負ったタコです。この貝殻はタコ自身が作りますが、これを作るのはメスだけでこの中に産卵します。今回のアオイガイは卵を持っていました。