瀬戸内海を知る
「水産技術センター」ってどんなところか分かりますか?
兵庫県明石市にある「水産技術センター」は、兵庫県の南側に面した「瀬戸内海」で採れる海産物のことや、海の中の環境について研究している施設です。
「赤潮」や「貝毒」の発生を漁師の皆さんにお伝えしたり、魚や海藻などの海産物が減少している原因を調べて、改善するための取り組みをしています。
瀬戸内海で採れた海産物を安心して食べてもらう。毎年安定して海産物が食卓に並ぶ。
そのための研究を行っています。
施設見学の受け入れも行っています。
施設見学の内容やお問い合わせはこちら。
瀬戸内海では、小型底びき網、船びき網などの沿岸漁業と、ノリやカキなどの養殖業が行われています。
小型底びき網漁業
網を海底につけて船でひき、海底付近にいるカレイ類やエビ、アナゴ、タコなどをとります。季節や地域によってとる魚の種類や網の形を変えています。
船びき網漁業
海面近くを2隻の船を使って網でひき、イカナゴの稚魚(シンコ)やカタクチイワシの稚魚(シラス)をとります。
ノリ養殖
瀬戸内海沿岸の各地で行われ、ノリ網を水面にうかべて行う「うき流し式」で生産されています。
カキ養殖
兵庫県瀬戸内海の西部で行われています。ホタテガイの貝がらに付けたカキをイカダにつるして養殖します。
(写真は養殖カキの収穫のようす)
40年ほど前の瀬戸内海は海の栄養分が多過ぎた富栄養状態のため、海は濁り、植物プランクトンが大量に繁殖して赤潮が発生するなど、漁業にとってあまり良い環境の海ではありませんでした。その後、海をきれいにする取り組みが続けられ、最近は透明度も高くなり、とてもきれいな海になっています。瀬戸内海は魚の種類が多く、漁獲量も多い豊かな海ですが、最近は漁獲量が急激に減ってきています。また、アサリなどの二枚貝が減ったり、ノリ養殖では栄養分が不足してノリの色が黒くならない「色落ち」がおきています。
海はきれいになったけれども、植物プランクトンの生育に必要な海の栄養分(とくにチッソ)が少なくなり過ぎているのではと心配されています。水産技術センターでは、「きれいな海」から、魚が育ちノリや二枚貝がとれる「きれいで豊かな海」になるよう、研究を進めています。
二枚貝を増やす取り組み
二枚貝(アサリなど)はプランクトンを食べて海水をきれいにしたり、おしっこやフンをして、海水に栄養をもどす大切な役割をしています。昔はアサリがたくさんとれていましたが、最近はとても減っています。アサリが減った原因には、アサリが生活する干潟や浅場が減ってしまったことや、アサリを食べてしまうナルトビエイという外敵が増えてきたこと、アサリが食べる餌が減ったことなど、いくつかの原因が考えられています。水産技術センターでは、アサリが住みやすい干潟を作ったり、外敵から守るためにはどのようにしたら良いかなど、アサリを増やす研究をしています。
魚は漁獲して数が減っても、卵を産んで元どおりに増えることができます。ただし、一度にたくさんとりすぎると、なかなか元の数にはもどりません。また、浅瀬が埋め立てられて、産卵場所や稚魚のすみかになる干潟や海藻がたくさんある藻場が少なくなっています。
そこで魚を減らしてしまわないように漁業のルールを決めて、稚魚を放流したり、産卵場を作ったりしています。
詳しくはこちらから。
水産技術センターでは、小学5年生の校外学習や自治会、老人会などの見学者を年間5,000人以上受け入れています。
見学コースは、映像と展示、生き物をさわるふれあいプール、専門員のお話など、子どもから大人まで親しみやすい内容になっています。
見学コース
1. お話とビデオ上映(研修室) 30分
教室でター坊と一緒に勉強しよう!
- 資源管理型漁業の話など
- 兵庫県の魚と漁業について(ビデオ上映)
2. 館内見学 40分
館内を巡って海の生き物と身近になろう!
- 海の生き物をさわろう(ふれあいプール)
- 漁業やお魚に関するクイズ、展示物(エントランス)
3. 質問など 10分
お話を聞いたり見学をして浮かんだ疑問に回答するよ
※小学5年生以上を対象にした見学内容です。
※見学は午前(10:00~)1回、午後(13:30~)1回、各回80名まででお願いします。
※人数が多い場合、館内見学は2班に分かれて行動します。
※見学コースはご希望に合わせて変更可能です。お気軽にご相談ください。
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見学申込フォーム※原則として10名以上のグループでお越しください。
※土・日・祝日は休みです。見学可能時間は 10:00~11:30、13:30~16:00までとなっております。